新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 7/24(水) 09:35:36
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ISOに対する経営者の意識は、近年の市場経済化の影響もあり、他で指摘したとおり営業優位性の意識が強すぎる点が問題である。しかし、建設業のISOが本格化しない理由が現場の技術者に起因することが多い。技術者は長年に亘り個人の品質管理のノウハウを持っているが、個人所有の品質管理ノウハウを企業に無料で提供することを嫌うのである。そのため、技術者同士が各自の力量で醸成した技術の公開ができないのである。これはISO事態の問題ではなく、日本企業の文化の問題であって厄介な課題である。長年に亘って出来上がった文化は頑固である。経営者を含むISO関係者は、この文化論を意識しないで導入し運用してはいけないのである。この文化論を前提にして提案したい。
第一の提案は、欧米並みにビジネス的に割り切って、金額提示により各人が所有する品質管理ノウハウを買い取ることである。この方法の難点は、各ノウハウの質やレベルの判定が難しく金額評定ができ難い点にある。しかし、これからの人材能力判定時代は、いづれはこの点を実行しなければならないのであるから、切っ掛けになるのではないだろうか。
第二の提案は、従来型の日本文化的手法である集団主義の「同じ釜の飯を食った仲間」として、品質管理ノウハウも集団に所属するという意識の対応である。精神訓話的であるが長い間に出来上がった日本文化であるから、この第二の方法は未だ通用すると考えられるのである。労働市場の現況からしても簡単な流動化はできない状況下では、技術者を説得することができるであろう。ISOの本格的ノウハウを企業に在庫することであり、本格的市場経済化の下では偽者のISOは通用しないのであるから、真剣に議論することによって達成できる可能性がある。
超ワンマン型のトップダウンは避けた方が良いのではなかろうか。何故かと言うと不満による抵抗意識を醸成してしまい得策ではない。やはり、近代的説明責任を意識した行動が必要になってきた時代である。(阿座上洋吉)
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