14.安全管理制度を斬る
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 8/7(水) 12:01:49  返信も含め全削除
 建設業界が懸命に取り組んでいる安全管理がなぜ有効に機能しないのであろうか、一向に事故が減らないのが現状である。その原因はどこにあるのであろうか、従来から行われてきた安全管理でも良い点は沢山あるが、必ずしも有効に機能してるとは言いがたい部分も多い。安全管理表による形式的チェックが多く、建て前による安全管理が多過ぎることも事実である。例えば、「今日も一日安全に」という垂れ幕を下げている現場を良く見かけるが、これで事故が防げるとも思えない。たしかに現場関係者全員に緊張感を与え事故を防ごうという意図は理解できるが、これで事故が減るとは思えない。むしろ外部に対する安全管理を実施しているというゼスチャーにしか映らないのである。本物の安全管理はしっかりとしたノウハウが必要である。事故を減らすためのノウハウを確立する必要がある。作業中に「ヒヤッ」とすることや「ハッ」とすることは良くあることであるが、この「ヒヤッリ・ハット」が安全管理のキーワードである。単に安全管理表で形式的にチェックするだけでは安全管理は機能しない。安全管理を実質的に機能させるためには具体的でなければならない。そのため安全管理データは、工種別に危険項目のデータと工種別危険程度のデータがなければならない。従来型の漠然とした安全管理表でチェックするだけでは防ぐことができないのである。そこで「ヒヤッリ・ハット」が工種別の作業のデータとして工程管理表の作業種目別に組込まれて記録されていなければならない。この危険管理データが工程管理表と一体化することによって、現場で毎日のように発生する「ヒヤッリ・ハット」が工程管理表に追加記録されて進化し、更に、高度な安全管理表が出来上がるのである。この「ヒヤッリ・ハット」の実録が安全管理のベースになるのである。作業開始に当たって現場責任者が事前に、関係者に対して工種別に具体的に危険項目や危険度を確認し注意すべきである。危険を予防する行為は具体的であることと適時性が要求されるのである。このように安全管理は、工種別の「ヒヤッリ・ハット」データが基礎資料となる。この基礎資料から危機予防システムが出来上がってこそ安全管理の道具となるのである。事故は起きないものと考えてはいけない。事項は起きるものとして管理しなければならない。起きるからこそ注意するシステムが必要となるのである。(阿座上洋吉)

返信する

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.