23.日本の入札制度が揺れている(その1)
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 10/9(水) 00:21:13  返信も含め全削除
1.入札に関する国民の目
 近年の一般大衆の発言は大きなうねりであり力を持ってきた。これは情報化社会における本格的民衆型社会が到来したことを現している。一般大衆に質の良い情報が伝わる時代になったためであり、国民は各自が入手した良質の情報によって行動するようになってきた。しかもその発言力は年々増大しその行動力は益々強大化してきた。これは日本だけのことではなく、地球規模のうねりとなって現われてきた。建設業界の入札問題についても水面下のルールが民衆の前にさらけ出されてきた。民衆は不正や不公平があれば内部からも告発するし、さながら市場が野球場やサッカー場の民衆監視の中の様相である。これをサッカー場型市場経済と称したい。

2.入札に関する国民の知識
 入札には、生産された物品の納入についての競争入札制度と、建設業のように生産される前に競争する入札制度がある。この二つの入札制度には大きな違いがある。生産済みの製品であれば、いくら激しい競争入札になっても生産済みの製品であるから品質に変化がないため、買い手側は品質については心配する必要がない。しかし受注生産では生産する前に売買が行われ るため、受注時点ので過度の競争は好ましくない場合が存在する。生産物の品質が完成した時点でなければ判定できないからである。そのため発注者としては過当競争によるダンピングが恐ろしいのである。このことが建設業界についての不安を感じさせる点である。

3.一般国民は入札問題の苦悩を知らない
 近年、公共工事について多くの問題が発生しているが、なぜ問題が多発するか、一般国民は入札問題の難しさと問題多発の原因を知らない。入札制度について一般競争入札・指名競争入札・公募型入札等各種の入札方法があるが、一般国民は無条件の競争制度の一般競争入札が最高だと認識する人が多い。しかし自宅等の建設について具体的な入札事例を尋ねると、数社の見積り合わせで検討すると応えるひとが多い。これは指名競争入札を想定しており一般競争入札とは言いがたい。しかも数社の見積書の一番安い業者に発注するのですかと聞くと、世間の評判だとか社長の人柄等で判断すると言う。これでは特命の随契方式である。国民も公共工事の発注の難しさをもっと知るべきである。

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