53.建設業界の施工という概念
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 5/8(木) 00:08:17  返信も含め全削除

1.建設業界の複雑性と自社企業の特性
 建設業界は、元請、下請、孫請等に重層化している複雑な業界である。この複雑な業界の中にあって自社企業が力を発揮するには、自社企業の特色を出さなければならない。そのため自社企業の特性を検討し進むべき方向を誤らないようにしなければならない時代が到来したのである。
建設業界は商社的業者と施工中心の業者、現場作業中心の業者に三分類することができる。超大手のスーパーゼネコンや大手ゼネコンの中には、強大な営業力をもった商社的な行為に特色がある業者が存在する。これらのスーパーゼネコンや大手ゼネコンは、優れた総合企画力や多額な資金量及び強大な信用力によりそれなりの存在価値があるが、その特色は建設業というより総合商社的であり、大型総合企画の商社という概念のほうが適切である。

2.建設業としての施工業者と現場作業者の違い
 一般的に施工業者と現場作業者の双方を建設業者というが、法律上は「施工」と「現場作業」は区別しなければならない。施工とは工事管理を指すのであって、類似しているが「現場作業」と混同してはならない。建設業法上の「施工」とは「現場作業」という概念とは違うのである。現場作業とは実際に現場で作業をする行為のことであり、現場作業専門業者は法律上の専門施工行者とは相違する。したがって大手ゼネコン等の専属の下請業者であっても、一括下請け状態で受注した総合工事について、工事管理を担当する業者はゼネコンとしての建設業に相当する。法律的には一括下請の禁止条項に抵触するが、実態として総合工事を一括下請として受注し、総合工事管理をすればゼネコンとしての建設業の概念となる。このケースは総合商社と建設業者(元請は商社で下請業者が実質的な建設業となる)の関係になる。下請の総合施工業者は、専門施工業者の手配や工事全般の工事管理を担当する。このように建設業法の「施工」という概念を厳密に理解しなければ、後述する共同企業体の施工概念を理解できない場合があるため、十分に整理しておかなければならない。

返信する

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.