57.技術者の特性と今後の課題
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 6/4(水) 08:45:57  返信も含め全削除

1.技術者の特性と適材適所
 施工管理技士として同一の国家資格をもつ技術者であっても、所属する企業の業態によって技術者の特性には大きな違いがある。この技術者の特性を今後どう活かせるかが業界の課題である。技術者が所属する企業を業態に分けて比較すると技術者の特性がよくわかる。総合工事業の業態では二つ以上の専門工事が複合した業態であるから、複合化した専門工事を統括するための管理技術が要求され、専門工事業では専門に特化した工事の管理が要求される。長年にわたる総合工事業の施工管理を経験した技術者と、専門工事業において専門に特化した施工管理の経験する技術者では、施工管理の内容や能力に違いが生ずるのは当然である。しかるに経営者や管理職は、同一の施工管理技士の資格だけをみて同一視してしまう。現実には長年の経験によって大きな違いであり、業態の特性による人材戦略や適材適所等を十分に留意しなければならない。

2.総合工事業者と技術者の特性
 元請としての総合工事業者は、商社型ゼネコンと施工型ゼネコンに分けることができる。前者の商社型ゼネコンで求められる技術者の特性は、地域開発や新しいまちづくり等工事創造型技術が強く求められている。後者の施工型技術者は、下請け等の手配や現場の指揮監督に優れた技術者が求められている。このように総合工事業であってもその特性にあった技術者が要請される。

3.専門工事業者と技術者の特性
 下請としての専門工事業についても、専門工事の工事管理型の企業と専門工事の現場作業型企業に分類することができる。前者の専門工事管理型企業は、専門工事についての元請に相当するから、その専門工事の現場作業には手を出さず、専門作業企業の手配やその専門工事の管理のみを担当する技術者が要求される。後者の現場作業型企業は、専門工事の現場作業に特化した仕事が要求されるから、その専門工事の深い知識と現場作業の技能まで要求される。ここで要求される技術者は技術者というより技能者というべき技術者が要求されるのである。

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