新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 9/10(水) 21:16:11
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1.工事管理のハイテク化と共同企業体
共同企業体の結成目的(67.形式的JVの実体と反省期・参照)は、当初、危険分散が目的で結成されたものであるが、今日ではその目的が大きく変わってしまった。当初の目的は地中海貿易時代に、利益は大きいが危険と裏腹にあり、そのリスク管理にJVが大きく貢献したのである。然るに今日のJVの現状は官民共に、工事の配分思想に利用されている。この発注思想は社会主義の計画経済の配分思想である。そのため建設市場が何時までたっても市場経済型にならないため、市場経済型の能力ある建設業者に育たないのである。建設業者は建設予算の分捕り合戦に明け暮れており、工事管理のハイテク化が遅れたままになってしまった。このためコスト高の状態が定着してしまった。結果的に発注者はコストで高い買い物を強いられる結果になってしまった。これからの発注者は本格的な市場経済を前提としたレベルの高い発注システムを確立すべきである。建設市場が本来の市場経済型になれば、建設業者も自社で開発した工事管理を磨きをかけて進化させ、レベルの高い工事管理や自社独自の優れたISOをフルに活用する体制になるであろう。レベルの低いローテクの実行予算方式から早く脱却し、ハイテク思想の工事管理手法に切り替えなければ生き残ることはできない。ハイテク思想による工事管理手法は、自社に合う仕組で独自に開発するものであり、決して他社に馴染むものではない。このようなハイテク思想によって進化した工事管理手法は、寄せ集めの共同企業体で共同運用できるものではない。
2.JVでは施工の高度化は望めない
前述したように、受注の機会均等の論理やJVを用いて広く工事配分するという思想は、社会主義的計画経済の思想であって、市場経済の論理に最も反する行為である。このような手法をいつまでも続けるならば、日本には市場経済に強い建設業者が育たない。共同企業体は建前だけのJV施工が氾濫しており、実態施工はペーパー化している。その意味でゼネコンの実体が掴めないほどJVによって混乱している。技術者も違法状態の施工手法が正当なJV施工であると勘違いしている。
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