新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 9/24(水) 12:04:09
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1.共同企業体の会計処理の検討
共同企業体は、前述したように独立した法人格があるわけではないが、共有財産の管理という各構成員の会計から独立した会計中心点が出現するのである。このような状況を会計学では企業実体の公準といって形式的、法律的な独立法人格がなくとも会計中心点の実体を把握するための会計処理が必要となる。これが共同企業体の会計である。しかし共同企業体については法律的に未整備のためや、関係者のJV会計の知識不足による経理処理の間違いが多く、共同企業体の独立会計処理の不備によるドラブルが絶えないのである。
2.共同企業体の事務管理手法
(1)完全独立型会計処理法
この完全独立型会計処理法は、過去に大型工事の特定JVで実施されることが多かった。共同企業体自体を完全に独立した企業体のように想定しで会計処理をする方法である。大手ゼネコンで多く見受けられた手法で、すべての構成員から完全に独立した形態で事務管理する方法である。会計学的見地からすれば完全に独立した会計処理をするのであるから、これほど明解に独立した共同企業体の会計はなく、JV会計としては極めて良質であった。しかし今日ではこの処理法はほとんど見られなくなった。その理由は、即席で作られた集団の共同企業体では、内部牽制制度が十分に機能しないため不正が起き易く失敗するケースが多かった。
(2)スポンサー企業委託型処理
完全独立型会計処理法には、運営管理上に欠陥があり失敗事例が多かったため、近年はスポンサー企業に会計処理から資金管理まで委託される方法が多くなってきた。スポンサー会社の内部牽制制度を利用して不正を防ぎ、総合事務管理として委託することが最善であると考えた結果である。しかし、課題も多くスポンサー企業が施工から事務管理まですべて実施することは、サブ構成員のペーパー化を誘発することになり、JV会計の知識不足もあってペーパーJVの違法行為を堂々と実施した証拠を残していることに気がついていない。
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