82.共同企業体の営業上の有利説?
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 11/26(水) 09:25:47  返信も含め全削除

1.建設業者のJV営業有利説
 中堅建設業にとって大手ゼネコンに対抗するための便法として共同企業体による入札参加することが、営業上は有利に作用する。また、上位ランクについての受注機会の確保のため入札参入することも可能となり、受注の機会が拡大するという理由である。また、受注実績のない企業が新規に参入の場合も単独で入札参加するより、共同企業体による入札参加する方が建設市場に参入しやすいとも言われている。特に営業所を新規に開設した場合は、共同企業体による入札参加で入札実績をつけることも重要であるという。経営事項審査の上でもランクアップするため一定量の売上実績を確保することも重要であり、どのような形でもよいから受注を確保せよという場合にも利用されている。

2.JV営業有利説を上回る不利説の台頭
 営業有利説の根拠は、受注なくして経営なしと言われる根底には、十分な利益確保ができるという前提があった。しかし、近年の工事量減少時には競争が激化し利益を確保するどころか、欠損覚悟の場合もあり中には手形決済のための受注も増え、スポンサーがJV工事を欠損覚悟で受注することが起きている。ある県の落札金額が予定価額の65%の最低価額に集中しており、従来型の通常の原価管理では原価を回収することが出来ない状況が出てきた県もある。これからの共同企業体は欠損を割り当てられるJVが増えるかもしれない。

3.JVは危険な仲間でもある
 近年の建設投資総量減少時代になり、建設業界が本格的に再編期に入ったのである。建設業界は構造改善が始まったのである。業界全体が苦しい時代に入ったことは間違いない。また、建設業界全体が各企業の経営体質は必ずしも良いとはいえない状況にあり、共同企業体の財産は構成員の共有財産であるが、共同企業体の借金も共有借金であると認識しておかなければならないのであり、これからは連鎖倒産に巻き込まれる可能性が高くなり、共同企業体の構成員は常に危険な関係にあることを留意すべきである。

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