新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 1/14(水) 09:41:16
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1.建設業法上の建設業者の分類と専門工事業の位置
わが国の建設業法上の建設業者の分類は、総合工事業としては土木一式工事業と建築一式工事業を規定している。いわゆるゼネコンである。これに対して総合工事業の2業態を除いたものを専門工事業として26業種を規定している。土木一式工事業は土木を中心とした複数の専門工事が総合化した工事業をいい、建築一式工事業は建築を中心とする複数の専門工事が総合化した工事業を指している。これらの総合工事業を除いた専門工事業は、工事現場の担当する部分によって二つに分類することができる。専門技術者によって工事管理(工程管理、品質管理、安全管理、原価管理)を担当する専門工事管理業者と、専門技能者によって専門工事の作業部分を担当する現場作業業者に分かれる。勿論、専門の工事管理業者と専門の現場作業業者の双方を担当する業者もいるが、ここでは2者を区分して専門工事の工事管理を主として担当する業者について検討する。
2.専門工事の管理業者の実力の強大化が進む
専門の工事の事管理を担当するのであるから、現場作業を担当する下請業者(ゼネコンから見れば孫請業者に相当する)の適切な手配力が要求され、工事管理業者は、現場作業業者が抱えている技能者の技能レベルも判定しなければならないし、技術レベルのランクデータも持たなければならない。このように担当する専門工事についてのすべての工事管理データを駆使して工事管理を担当するのが専門工事の管理業者である。元請のゼネコンは工事全体の工事管理が必要であるから、専門工事業の部分的な工事管理データと調整をする必要がある。従来の一般的権力の地位からすれば、川上に位置するゼネコン業者ほど権力が強いため、工事管理のデータによる調整は、川上業者から川中業者に押し付けられるのが通常である。しかし現場施工に関する専門の実践的データ保有の強みや、専門工事の現場密着の管理能力からすれば、ゼネコンより専門工事管理業者が重要であるのは当然である。そのため近年、本格的に力を蓄積してきたのが川中に位置する専門工事の管理業者である。大手ゼネコンを営業マン的な位置づけしている専門工事業が目に付くようになってきた。
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