90.建設業界の川上戦争が激化しその後に何が
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 1/21(水) 08:05:14  返信も含め全削除

1.建設業界の川上、川中、川下戦争に異変
 近年、建設投資減少期に入り建設業界全体が熾烈な競争環境になってきた。この業界全体を川の流れに例えれば、発注者と元請の関係を川上段階、元請と下請の関係を川中段階、下請と孫請の関係を川下段階として整理することができる。近年、これらの段階に新しい異質な波が押寄せている。工事量の減少と共に川上戦争が激しくなり仁義なき戦いが始まったが、その影響は当然川中段階にも大きな影響を与えてきた。建設業界には元請中心の協力会という活動があるが、これは建設業界特有の護送船団方式である。この護送船団方式は工事量の拡大時代には大いに機能したが、工事量の減少期に入ると従来のような機能はなくなった。何故なら特定ゼネコンの専属的な下請業者に十分な仕事量を発注できないからである。それどころか元請自体が存亡の危機に立たされている現在、護送船団方式の協力会の存亡どころではない。協力会も当然機能低下現象が起き専属的な下請業者に不安が起き始めている。川中業界が混乱期に入った兆候が出てきたのである。

2.川上戦争の激化は収まりそうもない
 建設業界は依然として水面下のルールがうごめいているが、工事量の減少が続く中で全国的に川上戦争の混乱は大きくなるばかりである。しかもその混乱の行方が見えてこない。何故であろうか。それは日本人が大きく変わってきたことが第一の要因である。情報化社会の到来で地域住民や国民全体の目は情報の公開を益々強めており、それが公的行為であろうがビジネス行為であろうが私的行為であろうが、公正、公平の視点で厳しい視点でチェックし、不公平を許さない。しかもそのパワーが激しくなるばかりで後戻りはしそうもない。さらに内部告発が常態化しておりいっそう公正、公平感の波が作用する気配である。このような川上戦争がどのような方向に動き出すのであろうか、水面下のルールが終息の方向に動き出し、元請中心の護送船団方式のグループ化が相対的に力を失い新しい元下関係が台頭する兆しがある。すでに川中の専門工事業の力が増強されており、従来とは違う元下環境がでておりこれらがどう変化するであろうか。

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