92.競争激化と専門工事業の強み  
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 2/5(木) 07:26:09  返信も含め全削除

1.建設業も新しい一物一価の法則にさらされる
 東西冷戦終結後の世界経済の動きは、過去に経験したことがないほど新しい経済現象の連続であった。グローバル化した地球規模の世界巨大市場において、品質は高品位のものがあたり前の時代であり、高品位のものがどこかの国で生産されると短期間で一挙に地球規模で広がるし、価格についても地球規模で安価な生産国の価格が一挙に標準化する時代になってしまった。この超スピードで一物一価の法則が作用する時代は過去に経験したことがない。今や高品位で低廉化は世界の常識となったし、本格的に良いものが安い価格で流通することが一般化してきた。したがって、過去のようにゆっくりとした一物一価の法則が作用した時代とは違い、超スピードで良いものが安くという一物一価の法則が作用する時代である。今や日本の製品は良い物だから高いのはあたり前という理屈は全く通らない時代になってしまった。さて建設業界はどうであろうか。良いものは高いのはあたり前という考えが一般的であり、良いもの安く作る意識が非常に少ない業界である。

2.建設業界の一物一価の法則はどう作用するか
 建設業界において一物一価の法則がどのように作用するかは、未だ見えない部分もあるが建築関係には一つの動きとして建材が部品化という動きがある。建設生産の効率性を考えれば当然の傾向であるが、ある段階まで工場において部品化した生産は益々増えてくるであろうし、建築現場も組み立て生産することはかなり進んできた。しかしまだまだ他の製造業からみれば生産性が低いしコストも高いのが現状である。原因は部品化の仕組みや標準化の研究が遅れているためであろう。建設業界に良いものが安くという概念が定着する時代が迫っていることは確かである。しかし必ずしも順調とはいえないのは専門工事業の努力が不足している。専門工事業者が担当する分野で専門特化の研究や品質向上、部品の高度化、標準化の研究が重要である。今までのようにゼネコン任せが専門工事業ではいけない。建設市場の競争激化が進む中で一番力を発揮できる業態が専門工事業であることを認識すべきである。専門工事業ほど知的財産を作りやすい業界はない。チャンスである。

返信する

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.