新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 2/18(水) 10:18:39
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1.ゼネコンと専門工事業ノウハウの相違
ゼネコンと専門工事業は、上下に重層化した関係にあるから担当部分が違うのは当然であるが、その施工管理の力点の置き方に相違と特色がある。専門工事業者であれば担当する専門の工事管理に特化し、しかも専門の施工部分においては具体的な施工管理になるのは当然である。これに対してゼネコン側が担当する工事管理は、各種の専門工事が適切に進行するための管理であり、全工程の専門工事がバランスするための管理を担当するのが役割である。しかしこの工事管理の棲み分けが必ずしも適切に連動しているとはいえない。ゼネコンと専門工事業の間にすき間が生じている。このすき間はどちらかに工事管理能力の力不足があるためであり、この力不足がゼネコン側にあればゼネコンの弱みとなっているし、専門工事業側にあれば専門工事業の弱みになっている。つまり工事管理の部分はゼネコンと専門工事業の接点であるから、この接点で双方に強みの部分と弱みの部分が現われてくるのである。
2.重層化したすき間に将来異変が起きる
ゼネコン側の工事管理を別の視点から見ると施工管理の技術が浅く上辺の管理に終始している。ゼネコンの施工管理だから当然であるが、これでは将来CM業界(建設マネジメント)が本格化してくるとゼネコンの立場が極端に弱くなる可能性がある。本来CMとゼネコンは対立的関係にあるからである。CMは施主側の立場でゼネコンを超えて(切り捨て)徹底的に専門工事業の管理をしてくるので、ゼネコン側及び専門工事業側双方とも強敵になることは間違いない。したがって、ゼネコン側も従来のような専門工事業の手配と幼稚な工事管理では済まされない時代が近づいている。また専門工事業側も今までのような甘いゼネコンの思想や指示とは違い、本格化したCMの工事管理に耐えうる体力が必要となってくる。現在のCMは幼稚な状態の時代であるから、ゼネコンも専門工事業もその脅威を感じているものが少ないが、建設市場に本格的に市場原理が作用してくる時代になれば、必然的に強いCMが台頭してくるのが世界的傾向にあり注意すべきである。
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