新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 3/24(水) 21:15:46
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1.工程管理の技とコストダウン
工事管理の中心は工程管理にあるが、建設業界はさほど工程管理を重視していない。これからの近代施工管理は徹底的に工程管理を中心にした現場経営にしなければならない。何故なら、ISO等を含む品質管理をみても異なる工程ごとに品質管理の手法が違うため工程管理に組み込むべきであるし、安全管理にしても異なる工程ごとに事故の内容や危険度が違うので、これも工程管理に組み込むべきである。また原価管理にしても異なる工程ごとに原価が発生するから、工程管理を中心にした原価管理でなければならない。或る工程で事故が発生した場合に作業行動が中断する。作業中断期間に原価の発生がどのような状態になるかを検討してみると理解できる。作業が中断しても費用が発生し続ける原価がある。例えば労務費は作業が中断している間も発生するし、仮設材や建設機器のレンタル料だって作業が中断していても発生する。時の経過によって発生する費用が非常に多いのである。材料費だけが作業中断によって材料に損傷がない限り原価には変化がないのである。したがって、原価の項目によっては作業が中断しても発生する費用項目と、作業が中断すれば費用の発生が停止する費用項目に分類する考え方をもたなければならない。
2.施工中断でも発生する時間比例費の概念
施工を中断しても費用が発生するものを時間比例費という。原価の中で材料費を除く大部分の費用は時間比例費であり、工事原価から材料費を除いたものは加工費というが、この加工費が時間比例費である。加工費の構成は、労務費、外注費及び経費であるが、外注費は下請企業と外注契約により金額が確定しているから、ゼネコン側からみれば時間比例費にはならないが、下請企業の立場で見れば大部分が労務費であり時間比例費になる。したがって、原価管理とは単純なことで時間比例費を管理することである。生産性を上げるという意味は時間の短縮化生産を指すのであって、コストダウンは単純な原理である。実行予算による金額管理が科学的管理として機能しないのはこの点にある。製造業であろうが建設業であろうが時間比例費を管理することが原価管理である。時間比例費の縮減は工程管理の中の時間管理をする技術を言うのである。
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