新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 5/13(木) 13:03:13
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1.予算配分思想からの脱出
工事管理の中で品質管理と工程管理については技術的管理であり、技能者が中心となって管理するには馴染む管理であり、技術者にとって技術的管理は自分の専門分野である。しかし原価管理については技術者にとっては異質な管理であり苦手な分野である。それは原価管理が経営管理の分野で技術者にとっては馴染みにくい分野である。この異質な経営管理の仕事までを技術者に責任を負わせること自体に無理がある。しかし現場責任者としての技術者は、現場の総責任者として、工程管理、品質管理、安全管理、原価管理の4大管理を担当させられ、避けて通ることができないのである。このような技術者はきのどくと言うほかない。そのため素人管理用の実行予算が用意され、幼稚な原価管理の手法をとらざるを得ないのである。そのため原価管理が建設業界の技術者にとって永遠の課題になるのはこの点にある。しかし、建設業界も近代化を目指すのであれば、何時までも幼稚な前世紀の遺物である実行予算に頼ってはいられない時代にきているのである。
2.本格化する市場経済の視点を
予定される品質を確保するために予算はこれだけ費やされるという視点は、技術者が通常考える品質確保に対する原価の視点である。しかし市場経済の視点では、市場によって価格競争が熾烈に先行される。市場経済とは市場の競争に勝てるか負けるかの価格競争が激しく作用する制度である。品質についての議論の余地がないのである。それは競争相手より品質が高いのは当たり前の話であり、議論の余地はないからである。市場経済の競争の厳しさと言うものは、建設業界のように過去の経験だけで品質を考えて予算割をするのでは済まされない。市場において競争に勝つための戦略的原価管理の思想が要求される。建設業界だけが未だに市場経済のシステムが弱く作用する業界は他業界には見られない。何故かというと建設業界は生産される前に価格競争が起きるために発注者が予定される成果品の品質の心配があり、通常の市場経済型の競争原理が作用しにくい環境がある。建設業者側は同じものを生産しているのではないという考え型の味方(大義名分)がある。
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