新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 6/2(水) 20:05:46
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1.原価管理の近代化を
原価管理とは、良質な生産物を生産しその生産コストを極限まで下げる技術であり、その手法を原価管理という。これには目標となる適正原価の概念を確立する必要があるし、標準原価の思想も本格的に導入する必要がでてきた。建設業界の施工対象となる生産物が繰り返し生産されないという理由で、適性原価や標準原価の設定が他の産業に比べ難しいことは事実である。また施工方法や天候等の外的要因により生産を中断することや、生産途上で施工方法までも変更せざるを得ない場合もしばしば発生する。このような建設業界特有の生産環境がこの業界の特色であり、他の産業に比べて難問が多いことも事実である。そのため事前に良質な目標原価の設定は難しく、極めてラフで幼稚な実行予算制度を採用しているが、近年の建設業界の市場環境は激変し、競争環境は激しさを増すばかりである。そのため従来型の原価管理の思想や手法では機能しなくなったことも事実である。今こそ建設業界も原価管理の近代化を本格的に取り組む時期にきているのである。
2.建設業界の言い訳論からの脱出
前述のように良質な目標原価の設定は難しいし、施工が計画通りにいかない理由としての大義名分が余りに大きいため、この大義名分の影に隠れて何も行動しないことが大きな問題であり間違いである。他の産業のように容易に標準化や適正原価の把握が難しいとしても、不可能であるわけではないのである。少しでも可能性があれば挑戦すべきであるし、難問があるほど簡単に解決できないから大きなチャンスでもある。同業他社も簡単には真似できないからである。適正原価や良質な目標原価を設定する場合の注意事項は、細分化した工種の標準化が基本になることを念頭におくべきである。何故なら工種を細分化していくと同じ作業の繰り返し部分があることに気が付くはずである。これが作業標準化の原点である。作業はどんな特殊な作業であっても詳細な作業分解の段階で同一作業の繰り返しが存在する。この同一作業の繰り返しが標準化され、その作業時間の標準化ができれば、建設業界の原価管理の近代化の基礎ができ飛躍的に進むことは間違いない。
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