110.原価管理二つの視点
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 6/9(水) 08:46:47  返信も含め全削除

1.建設業界の原価管理手法の整理
 建設業界のコスト縮減方法は大別すると二つある。一つは工法の変更や改善によってコストを下げる方法であり、新しい工法として認識されるものは新工法として位置づけられ、その工法はノウハウ料や特許権の取得にいたる価値をもつ場合もある。他の一つは工法や施工資源の施工条件が一定であっても、現場の人的資源の努力によって工期短縮をする手法でコスト縮減の方法がある。

2.新工法によるコスト縮減
 新しい工法の研究によって品質の向上を図りコスト縮減にも貢献する施工手法を開発する方法がある。この新工法の開発は建設業にとって施工の戦力化に大きく貢献し、建設業としての経営基盤が安定することで業界では非常に関心が高い。このような新工法の開発は自社企業で開発される場合もあれば、他社が開発した工法を利用する場合もあり、特許権やノウハウ使用料を支払ってもコストダウンになり、新工法が有効であり価値あることが認識されている。しかも新工法は具体的な施工方法が示されるから、建設業者にとって生産性向上によるコストダウンが具体的で理解しやすいのである。建設業者が新工法に熱心であるのはそのためである。

3.新工程管理による時間管理
 新工法によるコストダウンの他に、真の原価管理によってコストダウンを上げる方法がある。それは能率向上によるものでコストダウンに最も有効であることを認識すべきである。工程数や工程変更、施工能力等の資源数が一定であっても、現場の努力や緊張によって施工時間ロスを削減させることである。特に軽微な施工ロスほど注意する必要がある。何故なら施工現場は軽微なロスほど見逃すことが多く、その連続が大きなロスに繋がるからである。このロスを排除するためには科学的目標時間の設定が重要で、過去の同種工事の施工時間データがなければならない。この時間管理は予想を以上の効果があるのに業界の関心が薄いのは残念なことである。施工事実の時間データの記録を要請すると、雨降り休みや一つとして同種の工事はない等、言い訳ばかりが聞こえてくる。

返信する

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.