新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 3/1(水) 20:17:29
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1.損料計算からの発展した予定原価の思想
損料計算は、建設機械の減価償却費を適正に現場負担額の計算をする手法として考えられたが、同時に実際原価計算のスピードアップに貢献する結果となった。建設機械等の実際減価償却費は年度末でなければ確定しないため、通常の実際原価計算では、年度末でなければ確定しない欠陥がある。この実際原価計算の遅れを補うため予定計算が考えられた。年度末に算出される実際減価償却費を前年度までの実績により、当該年度の減価償却費を予測し、当該年度の予想稼動時間で除して建設機械の歩掛単価を算出する方法である。この歩掛単価を機械損料と呼んでいるが、実際歩掛単価を予測したものであるから、この歩掛単価は実際原価一種として扱われている。それは限りなく実際原価計算に近づくことを想定した単価であり、歩掛単価によって算出された予定原価は、目標となる原価として考えられた原価の概念ではない。また、建設業界で広く用いられている実行予算という原価の概念と、予定原価は非常に類似した原価の概念である。
2.実行予算の概念整理
実行予算という原価は、目標原価として機能するものか、それとも実際原価を予測するものかの議論がされるが、先に述べたように実行予算は、予定原価と非常に類似した原価の概念である。両者共に限りなく実際に発生する原価に近づくことを想定した原価の概念である。実行予算という名称は、目標となる原価を想定しているような印象を受けるが、現場代理人の主張をみると、実際に発生する原価の予測に近い概念である。現場代理人が主張する言葉に、「原価は掛かるものは掛かるんだ」とか「現場では何が起こるか分からない」と言う原価の表現は、実際原価の発生を管理することが難しいことを意味している。したがって、目標原価どころではなく、実行予算を設定しても原価縮減の誘導技術として機能しないことを主張している。実行予算制度は、到底努力目標になるような原価の概念ではないことを現している。これでは実行予算制度自体が、原価管理として機能していない証拠である。
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