新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 3/22(水) 10:06:52
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1.人工計算は仕事の総量の目安を計算するもの
何故、実行予算が科学的目標原価になり得ないか。それは実行予算の基本計算となる人工計算にある。設例として100m3の作業量の工事を、作業員1人の1日当りの作業量が1m3であるとすれば、100m3÷1m3=100日となる。つまり、延べ100人工という計算になる。この人工計算は100日という延べ時間計算の思想が導入される。そのため時間計算がベースにあるように見えるが、これは作業の総量が100日分あるという目安の計算に過ぎないのである。したがって、この仕事の総量100人工に作業員の賃金単価を10,000円として乗ずると労務費が1,000,000円が必要であるとなる。こうして実行予算の労務費の計画に用いられるため、100人工の作業を5人で施工する場合は、100人工÷5人で20日となり、作業員10人の場合は施工日数10日となり、延べ日数で見ればすべて100日の作業日数となり、作業員の数に関係なく労務費は同額となるのである。
2.科学的な目標原価として作用するための視点
上記の人工計算が何故、原価管理に役立たないのか。それは人工計算では時間管理として機能しないからである。100人工の工事を作業員1人で作業する場合と、作業員10人で作業する場合とは作業時間が前者では100日であり後者では10日となる。この作業時間に仮設材のレンタル料が、1日8,000円として加算すれば、作業日数が100日では800,000円となり、10日であれば80,000円となる。科学的目標管理は工期の問題であって、人工計算の延べ作業日数ではないのである。この計算は作業員の数が自由に調整できることを前提として比較したものであるが、実際は作業員の数には制約があり、単純に計算できるものではないが、科学的な目標原価の原理には、作業員の数の影響を受ける工期に大きく左右されることを知らなければならない。そのため理想的な工期の計画が重用になるのである。これには施工上の資源である作業員の人数や機械の能力等を考慮した科学的計算が基本となるのである。
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