新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 3/30(木) 21:18:10
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1.科学的な理想的目標原価の準備
ここで科学的という意味は、情緒的な期待値をできるだけ排除した数値を指すのであり、その設定数値が確りとした根拠を持っているものでなければならない。そのため科学的数値を設定するためには考え方やその準備が必要である。第一は施工のための資源数や能力を限定せずに、最良の条件を想定した施工計画を準備する必要がある。例えば、ある工程の作業環境が10人まで作業が可能である場合に、全体の作業量が100人工の場合には、作業員を10人投入することが理想となる。何故なら、作業員が10人の場合は10日の工期となるし、5人の場合は20日の工期となるからである。他の並行作業がない場合として検討すれば、仮設材等のレンタル料は工期に比例して発生するため、工期が短いほどコストは低減される。この場合の例としては、理想的標準データは作業員10人で工期10日の設定となる。作業員一人当たり1日の賃金が10,000円、仮設材のレンタル料が一日当り20,000円とすれば、賃金は10,000円×10人×10日で1,000,000円となり、仮設材のレンタル料は、20,000円×10日で200,000円となり、原価合計は1,200,000円となる。この計画原価を基準標準原価といい、理想の工事原価として設定される。
2.現実的目標原価の設定
理想的標準原価の設定は、資源数が最適な状態で計算されるが、現実には、人的資源数が5人しか用意できない場合があり、現実は理想とかけ離れてしまう。作業員5人の場合は、賃金は10,000円×5人×20日で1,000,000円となり、仮設材のレンタル料は、20,000円×20日で400,000円となり、原価合計は1,400,000円となってしまい、労務費は1,000,000円で同額となるが、仮設材のレンタル料は10日の増加で200,000円だけ高くなる。そのため理想的標準原価(基準標準原価)と現実的標準原価(当座標準原価)に200,000円の開きが発生する。しかし、現場は現実的標準原価を目標とすべきで、1,400,000円の当座標準原価を基準に、ミス、ロスや手直し工事による工期の変動による差異分析をすることが現実的な管理のデータとして有効となる。
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