新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 4/5(水) 09:54:23
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1.標準原価の概念を検討する
原価を標準化しようとする狙いは、原価は数種の顔があり、真実の原価といっても一つではない。考え方や見方を変えれば原価の金額大きく違ってしまう。例えば現場を担当する技術者の人件費は、現場がなくとも発生してしまう。この人件費をどう処理するかによって、実際の原価は大きく変化してしまう。原価とは実に厄介な側面を持っている。そのため実際に発生する原価も科学的に検討してみると、数種の原価に遭遇しどれも真実な原価の場合が多い。そこでモノサシとしての科学的な標準原価を設定する必要が出てくるのである。この標準原価を設定する場合は、ミスやロス等によって発生する不適切な費用は、標準原価からは除かれるのは当然である。これに対して実行予算に用いられる原価は、多少の不適切な原価であっても含まれる場合が多い。何故なら、実行予算は、実際に発生原価を予測する意味から、予定されるミスやロスも予測の範囲内であれば原価とみなす概念である。たしかに避けられないミスやロスは許容範囲として認めるべきであるが、実行予算の中で予測するミス、ロスの概念は、情緒的な見積もりで科学的な根拠によるものではない。そのため実行予算の原価は、標準原価の概念とは大きな違いがある概念となってしまうのである。
2.理想的な基準標準原価が必要になる理由
標準原価には、実行予算に近い概念の当座標準原価がある。これは現実的な目標原価で、努力すれば達成可能な目標値を設定したものである。しかし実行予算のように科学的根拠の薄い情緒的な予測原価ではなく、科学的根拠のある実現可能は目標原価を指している。多少実行予算に類似している点は、現況では避けられないミス、ロスの許容範囲を科学的に予測する点にある。この場合、ミス、ロスの許容範囲を決定する事が重要となるが、これにはミス、ロスが完全に除かれ、科学的に完全無欠な理想的標準原価の設定がなければ、ミス、ロスの許容範囲を決定することができない。この完全無欠な標準原価を基準標準原価と言っているが、当座標準原価の策定時のモノサシとして重要な役割を果たすのである。
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