新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 4/12(水) 11:00:48
返信も含め全削除
1.時間軸に関係ない実行予算に馴染む原価
原価は施工時間に対して固定的に発生する原価と、施工時間の経過に対して変動して発生する原価に分かれる。前者のような時間軸に無縁な原価は材料費である。材料費は施工量に比例して発生する原価であり、材料費は時間には関係なく発生する。例えば、1立方メートルの施工に材料を5個使うとすれば、全工事量が1,000立方メートルあるとすれば、「1,000立方メートル×5個=5,000個」の材料を必要とする。この材料の購入単価が400円とすれば、「5,000個×400円=2,000,000円」となる。このような材料は、購入段階の相場で決まるものであり、実行予算の策定時の市場価額の予測だけが問題となる。したがって、市場価額だけを注意深く予測することがポイントである。
2.実行予算に馴染まない原価の発生が致命傷になる場合がある
施工時間に固定的に発生する材料費に対して、労務費のように施工時間に比例して発生する原価がある。労務費は一般的に人工計算による場合が多い。例えば、仕事量が1,000立方メートルある場合、1人当り一日分の作業量が2立方メートルであるとすれば、「1,000立方メートル÷2立方メートル=500人工」となる。作業員1日当たり10,000円とすれば、「500人工×10,000円=5,000,000円」が労務費予算となる。この労務費は、時間で発生する原価であるから、ミスによる手戻り工事や天候異変、設計変更等が起きた場合に待たされる時間にも、労務費のような時間変動費は発生する。500人工の工事を作業員20人で施工すれば、施工日数は25日となるが、ミスその他の事情で5日間作業が延長した場合には「20人×5日×10,000円=1,000,000円」の労務費が予算外で発生し、労務費の合計は6,000,000円となってしまう。つまり、時間変動費は金額による予算管理ができない原価であり、施工時間を管理すること以外に管理する方法はない。ミスその他の事情による工事中断中には、労務費の他に建設機械や仮設材のレンタル料も発生する。工事中断している間にも時間変動費が膨大に発生しており、工事中断が現場の採算を一変させ赤字となり命取りになるのである。
|