205.客の利便性を追求する営業の視点
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 5/3(水) 19:39:58  返信も含め全削除

1.客からみたゼネコンの利便性
 発注者である客の立場からすれば、ゼネコンは総合工事業としての利便性を持った業態である。つまり工事のトータルサービス業である。建設業は多くの専門工事から構成されているから、客側からみれば総合工事業は全ての工事の施工が可能であり、工事に関するスーパーマン的業態であり非常に便利である。施工現場の立場では各種の専門工事を専門分野の業者を手配し、工事全体が適切に施工されるように工事管理をする業態であるが、客の立場では一括して工事を任せることができることの利便性が魅力である。ゼネコンは流通業に見られる百貨店や大型スパーマーケットのような総合店と類似した面があり、1つの店舗で何でも揃う便利な店ということになる。これをワンストップショッピングといい、流通業界では巨大産業として成長してきた。ゼネコンも工事のワンストップ型という意味では類似点が多い。また、近年のスペシャリティストア(専門店)の進化についても、建設業界に多くの営業上のヒントが潜んでいる。

2.用途別利便性の追求        
 近年、総合工事についても利便性の追及が高度化してきた。単に総合工事業としてすべての工事を引き受けますよという時代から、用途に合わせた専門性を強く打ち出す傾向が強まってきた。例えば総合的建築物の場合でも、病院に特化した総合工事業、店舗に特化した総合工事業、マンションに特化した総合工事業等、その建造物の用途に合わせた建築分野に特化する傾向が強くなってきた。これも流通業に見られた現象に類似したものがある。例えば、金物屋がホームセンターに進化し、客の日曜大工や園芸の楽しみに焦点を合わせた用途別総合店として急成長している。用途に合わせたワンストップショッピングが可能になり、消費者の対応が如何に便利であるかで店の優劣を決まるのである。流通業界の研究は常に一歩先に進んでいる。これは客の心理を研究することが直接売上に結びつく業界であるから当然であるが、建設業界といえども発注者である客がどんなライフスタイルを持っているかの研究が益々重要になってきている。

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