新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 6/21(水) 12:50:10
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1.工数分解と作業標準化の関係
工数という概念は、達成可能な標準原価の策定にはなくてはならない作業単位である。そのため建設業界には工数という概念が特に必要な業界である。建設業界でよく言われる「ニ度と同じ現場はない」という主張は、工数概念がないからである。確かに作業の標準化が難しい業界であることは認めるが、作業の効率化を上げてコストダウンを図るためには作業標準化を避けて通ることはできないのである。その作業標準化には工数分解の技術が絶対条件である。工数分解時には作業を細分化する必要があるが、作業を細分化すれば作業は部品のように単純化することができる。この部品化した作業に分解することが標準化なのである。つまり工数分解の中に標準化の手法が潜んでいることを留意すべきである。
2.作業標準化できない部分に潜む無駄
作業の標準化ができないと思い込んでいる部分は何か、それは実質的な純作業の部分ではなく、現場の作業環境に影響するものや、野外生産のための自然界の影響を受けて作業が予定どおり施工できない部分に関係がある。例えば資材の置き場所は、現場ごとに状況が相違する。資材の置き場所が違えば作業現場までの搬入方法や搬入時間が相違する。この搬入時間は全体の工期まで影響することになり、工期が変化すれば仮設材等のレンタル料が変化するため工事原価が変動する。このような状況下でコストダウンを図るには、第1に、作業自体の標準化による効率化する部分と、第2の現場の作業環境や自然界の影響を受ける部分を分離して、別々に検討しなければならない。何故なら、前者の作業標準の問題は、標準作業部分に無駄がないかの検討であり、この部分の検討は工場生産の生産効率の検討となんら変わるところがない。後者の作業環境や自然界の影響を受ける部分の検討は、最もコストが不安定に発生する部分であり、「現場では何が起こるか分からない」という部分である。しかし、後者の部分がコストダウンのするための宝庫といっても過言ではない。
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