新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 06/9/6(水) 20:01:16
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1.ゼネコンのISOが間接的になる理由
下請の専門工事業者が実施する専門の工事管理と比較すれば、ゼネコンの工事管理は、下請施工業者を統括する管理という意味で間接的である。したがって、ゼネコンが行う専門工事のISOについても間接的である。ゼネコンの技術者が具体的・実質的な作業を直接的に品質管理することは無理である。何故なら専門工事業が実施するISOは、現場作業に密着した直接的品質管理が要求される。それはISOによる専門工事の品質管理が、作業員の技術や技能に密接したシステムであるからである。ゼネコンの技術者としては、専門工事の作業行動を細かく指示する知識や力量もない。そのためゼネコン側のISOは、専門工事業が実施しているISOを踏まえた上での間接的な品質管理にならざるを得ないのである。結果としてゼネコンが実施する品質管理の現状は、専門工事業が取得したISOを無視し、過去の経験的な品質管理になっている。ゼネコンとしてのISOは、専門工事業が実施している具体的な品質管理を、総合管理の視点で間接的にしか機能しないことを忘れてはならない。
2.進化する専門工事業のISOの現状
専門工事者は、施工経験のたびに技術技能が具体的に磨かれていく業界である。そのため近年、専門特化が進む中で、特許権や実用新案権等の法的な知的財産権の取得も盛んになってきた。具体的な技術や技能的ノウハウも蓄積されている。これらの知的財産を基本にして作られたISOの技技能は、簡単にゼネコンの管理下に置かれるようなものではなくなってきた。むしろ専門工事業の持つ技術を生かすために、ゼネコン側が工事管理を慎重に支援しなければならない場合さえでてきた。このような高度な専門的ISOの品質管理は、ゼネコンが取得したISOのような目的やレベルのものではない。専門工事業のISOは益々進化することが日常化しており、ゼネコンが取得したISOとは馴染まない面が多くなった。この専門工事のISO進化の仕組みは本物であり、これからのゼネコンは、専門工事業のISOを有効に活用できるかが課題である。
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