226.下請管理の高度化は工程管理が中心となる
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 06/9/28(木) 11:47:41  返信も含め全削除

1.下請企業にとって工程管理は難しい
 下請企業の工程管理は、ゼネコンの工程管理下に置かれているため、下請企業としての自社が作成した科学的な工程管理を実施することは不可能に近い。それはゼネコンが実施する工程計画に組み込まれるためである。そのためゼネコンの工程計画の良し悪しに振り回される結果となり、工事原価までも大きく揺れてしまう。ゼネコンにとっての工程計画は、工事全体のバランスをとる総合工程計画が狙いであるから、個々の専門工事業の事情による工程管理まで考えが及ばないのは当たり前である。これを専門工事業の視点でみれば、ゼネコンの工程計画が専門工事業の全社に適切に作用させることは難しい。したがって下請企業の立場では、ゼネコンの総合工程計画の不具合によって、予期せぬ原価が発生してしまい、下請企業としての原価管理までが有効に左右することは不可能に近い状態に置かれてしまうのである。

2.理想となる下請管理の技術
 ゼネコンは、全専門工事業者を満足させる総合工程計画を立てることは難しいが、理想に近づけるための工程計画が作れるような日々進化するノウハウを持つべきである。それが今まで作られずに今日に至った理由は、ゼネコンの傘下に置かれる専門工事が多岐にわたるため、ゼネコンの技術者が専門工事の知識や技術不足や、自然環境の状況に左右されること、また二度と同じ工事がないとの理由の主張が強すぎ、建設業にとっては作業標準化が不可能に近いと思い込んでしまう。しかし特殊な作業で当該現場に特有なものであって、一般的に標準化が難しい工事であっても、それらの作業を小単位に工数分解すれば、小単位の作業は類似の作業の連続である。この小単位に分解されたものを作業の部品化といい、作業の部品化によって作業の標準化が進み、この標準化が工程管理の基本となるのである。ゼネコンが専門工事業の詳細な作業部品を駆使できるようになれば、高度に発展したCM(コンストラクション・マネジメント)が実施している本物の工程管理が可能となるのである。

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