230.新分野進出は第二世代の市場経済の中で
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 06/10/25(水) 10:42:43  返信も含め全削除

1.市場経済の第一世代
 市場経済は競争作用の強弱の違う水準がある。無競争のものは共産主義における政府による統制経済であり、これを計画経済という。この計画経済は市場経済ではないから別にして、市場経済は原則として政府が関与しない経済活動をいう。したがって経済活動の自由度が高いことを前提としている。日本の第二次大戦中は、物価統制令による市場価格や生産量を政府が強く関与した時代であった。これは共産主義の計画経済に非常に接近した時代であった。戦後に物価統制令は廃止され経済の自由度が上がったが、当時の市場経済は許認可や経済活動の規制が多く、この時代は準市場経済というべきである。その後は更に規制緩和が進み、関税や米、酒、タバコ等の規制も撤廃され、本格的に市場経済化が始まったのである。この時代を第一世代の市場経済という。この時代はグローバル化社会の前段階であり、地域別に経済の独自性が強く、地球規模でみても国別経済の特色が強く維持されていた。このエリア別に地域特性を持ちながら発展した市場経済の時代を、第一世代の市場経済という。日本はこの第一世代市場経済の時代に高度成長を遂げたのである。

2.新分野進出は第二世代の市場経済の戦い
 十数年前の東西冷戦集結を契機に、世界は本格的グローバル化時代を向かえたのである。市場経済の第二世代への突入である。この第二世代の市場経済の特色は、世界中の経済が激しい競争に巻き込まれた時代である。何故ならグローバル化現象により、世界市場が一体化して動く時代であるから、すべての国やすべてのビジネス単位が、常に地球規模の競争にさらされる時代になったことである。この激しい経済の競争状況を市場経済の第二世代という。その原理を市場主義とよんでいる。市場主義の力は政治力を超えるものであり、弱い業界を一時的に規制や補助金で政治的に支援したとしても、地球規模の市場主義に勝るものではない。永遠に支援し続けるのであれば別であるが、それでは市場経済で自立ができない。新分野進出する企業は第二世代の市場経済を前提として挑戦すべきである。

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