新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 06/12/6(水) 12:26:35
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1.談合事件が全国で明るみに出てきた
近年、談合事件が全国で多発しているように見えるが、今に始まったことではなく、必要悪と言われながら延々と続いてきた事件である。近年の談合事件は江戸時代から続いていたものが表面化してきただけである。それほどまでに談合事件は根が深く複雑で、建設業界の入札文化として承継されてきたものである。この談合問題がなぜ近年になって急に表面化してきたのであろうか。必要悪といわれる談合の必要性の部分を強調しても、刑法違反であり悪の部分を国民が許すわけがない。自由主義経済とは、経済の仕組みに制限を与えないことを原則としているが、その取引は公正で公平に行われることを原則としている。そのため水面下で行われる談合が、必要性を強調しても不公平、不公正の面で許されない。更に近年の情報化社会の恐ろしさは、民衆が情報に敏感に反応することであり、これを情報化人間という。不公正、不公平があれば、上司であろうが仲間であろうが、通常の行動として内部告発する時代である。不公正、不公平を最も嫌う時代が来たのである。
2.談合の必要性を強調する根拠
談合がこれほど続いてきた理由は、利権が絡んでいることは当然であるが、利権問題を別にしても大きな理由がある。必要悪と言われる「必要」の部分にその理由がある。生産物が生産される前に競争入札するため、原価が読みにくい段階で無制限の競争原理が作用する。そのため原価を無視した競争に発展する仕組みを内包している。これでは予定された品質の生産物ができない。この入札時に無制限の競争原理が作用する仕組みに課題がある。ある県で談合防止のため、指名競争入札(発注者が事前に適切に施工可能な業者を、数社から10社程度を指名した中での競争する仕組み)から、一般競争入札(一定の施工基準を満たした施工業者であれば自由に参加できる仕組み)へ切り替えた結果、当然激しい競争となった。その結果以前の落札率(予定価額に対して実際落札額の割合)が90%台であったものが、70%台まで下がってきた。これは税金の効率的活用としてはよいことであるが、一方で、採算割れを恐れる施工業者が入札参加を拒否する業者が増え、入札が不成立になる可能性が出てきた。これが発注者の悩みの種となってきた。<談合事件、次回に続く>
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