239.談合は必要悪と主張、談合倒産の現象?
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 06/12/27(水) 18:41:30  返信も含め全削除

1.市場経済の大原則と談合
 建設業界における談合は、江戸時代から必要悪として続いてきた業界の文化であるが、利権争いや贈収賄事件は論外として、この論外の部分を除いても、確かに必要性を主張する側にはそれなりの理由がある。入札制度は、生産する前に無限大の競争原理が作用するため、過度な競争のための低入札や原価割れ、目先の手形支払いのための落札を狙い、一時の倒産回避の手段として入札参加する場合もある。このように入札制度には、理不尽な状況下でビジネス行為が行われる場合も多く、施主にも大きな損害が発生する場合があり、入札制度自体に大きな課題が潜んでいる。しかし地球規模で動き出した「良いものを安く」という市場経済の大原則に照らして、談合を認める余地は全くない。この市場経済のルールは万国共通もので、今後も変更することはあり得ないであろう。つまり入札制度は、原理的に根本的な解決策はないのである。解決策がないからと言って、いくら必要性の理由を強調しても談合は認められることは永遠にあり得ないのである。

2.談合倒産という現象が起きる可能性
 市場経済の大原則は、市場に対して作為的に手を加えるべきではない。市場を完全に自由化し経済活動には口出しをしてはいけないと言う意味である。市場には良品のものや品質が悪いものが混在化するし、価格も一様ではない。また需給のバランスも崩れてしまう場合があるが、それでも口を出してはいけないという。それは市場経済の仕組みの中に競争原理が作用して、自然に適格な活動に戻ろうとする仕組みが内包しており、これを経済学者であるアダムスミスは、市場経済は「神の見えざる手」によって動いているという。粗悪な製品は自然に市場から追い出され、高いものは安いものに負けることは、自然に起きる原理である。この市場原理が世界的に合意されたのであるから、作為的に市場を動かそうとする談合が、いくら必要性を説いても賛同を得る余地は皆無である。それより近年の恐ろしい現象は、内部告発が常態化したことや民衆の力の台頭、情報化社会における公開性を考えると、談合倒産という言葉が一般化する可能性が出てきた。

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