新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 07/3/7(水) 21:02:36
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1.家族的経営の強み
家族的経営には強みと弱みを抱えているが、家族的経営には弱みより強みの方が圧倒的に多い。したがって家族的経営は今後益々重視されるであろう。他人同士の集団があたかも家族のような関係を構築し、家族同様に仲良く仕事ができる環境はすばらしいことである。即効性の能力主義に偏らず、長期的視野に立って人材を育てるため、将来に力点を置いた人材育成ができる家族的経営は未来への投資でもある。特に周囲が海で囲まれた日本は、北方系、大陸系、南方系の民族が入り混じり、長い時間をかけて単一化した民族である。しかも鎖国時代もあって生活文化が濃厚に同色化した特色を持っており、「阿吽の呼吸」や「以心伝心」といった日本独特の文化ができ上がった。このような濃厚な同質性を持つ日本民族が、長い時間を掛けて作り上げた家族的経営は、世界的にも稀なビジネス文化であり、今後とも更に進化していくだろう。
2.家族的経営の弱点
しかしこの家族的経営にも多くの弱点があり、その弱点を研究することも家族的経営をより良く進化させるためにも重用である。家族的経営の弱点は、強みの部分の裏返しでもあり、単一化した民族の「阿吽の呼吸」や「以心伝心」の陰には、曖昧さや甘え、情緒的になり過ぎる欠陥が潜んでいる。その弱い部分の顔が出る様になれば、厳しい市場経済の時代には経営が耐えられない場合も出てくるのである。過去に蓄積された技術力や財力等の余力がある企業では、目先の競争に振り回されることはなく、じっくりと先を見据えて対応することができるが、近年の地球規模で始まった激しい競争市場は、国内だけの競争ではないのであって、地球規模の激しい競争である。情緒的な曖昧さや甘えが通ずる時代ではなくなった。家族的経営とは、甘えが通ずる経営という意味ではないが、仕事はできるだけ科学的、合理的なシステム化を進めるべきである。仕事は冷酷に厳しく進める部分と、人間である以上情緒的な部分が共存するものである。日本の家族手経営とはその両面をバランスよく活用することが成功のカギである。
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