252.世界の労働価値観と日本の労働市場の行方
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/3/28(水) 13:27:28  返信も含め全削除

1.市場経済における労働市場が能力主義化する必然性
 年功型の体制と能力型体制の良し悪しは、決め付けるべきではないが、年功型体制の良い面は前述したとおりであり、ここではあえて年功型の悪い面だけを浮き彫りにしたい。年功型の最も問題視される点は、一生懸命働かなくても通常の賃金がもらえる点にある。市場経済の原理は、生産した製品の価値や魅力を市場で自由に判断させることで、「良いものをできるだけ安く」という市場の要請に応える仕組みである。そのため良いものを安く提供するための競争原理が常に作用するのである。この原理を労働市場に置き換えると「質の良い労働を出来だけ安く」ということになるが、質の悪い労働が通用しないように作用する。この点が市場経済における能力主義化の必然性である。社会主義圏の経済が破綻した理由は、国全体が年功型の体制で動いていた体制を考えれば、労働力の作用は恐ろしいほど敏感に影響している。市場経済の原理的な視点で言うならば、労働の質的価値と賃金が比例する仕組み基本的原理である。

2.過去の単純な年功型賃金がいつまで続くか
 今までの日本の労働市場は、正社員を前提とし制度であったが。正社員の雇用制度は、終身雇用制度で年功型をベースにして、各種の手当制度の社会福祉制度の思想が流れていた。この制度は高度経済成長時代のように、緩やかな競争時代であれば、年功型の体制が十分に通用したが、今日のように地球レベルの激しい競争の時代には通用しなくなった。それは年功型は高い賃金で固定化するためで、これを回避するため必然的に正社員族を押さえ、パートやアルバイト、派遣社員、契約社員への流れができ上がったのである。この流れは日本だけの問題ではなく、世界の労働市場がすべて同じ状況下に置かれている。今日、少し景気がよいからと言って正社員が増えているように見えるが、正社員の限度枠に多少の余裕ができたに過ぎないのである。基本的には労働市場の流れは何ら変わってはいない。正社員族も勘違いしてはいけないことは、過去の正社員族の環境は一変してきており、まだ見ぬ未知の超能力主義の環境が近くまで迫っていることを認識すべきである。

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