新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 07/9/6(木) 03:41:46
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<アンケートの意見より>
専門技術者養成講座アンケート(様式はホームページ平成19年7月11日・研究の広場<263>参照)に「下請業者が利益を出せなければ、元請も利益を出せないということを理解できない技術者が多すぎる」という意見があったが、この意見は本当のことである。ネットワーク工程表の威力は、下請業者の利益管理に直結していることを、元請の技術者は知らなければならない。
1.市場経済の競争の激しさを下請業者に押し付ける
下請業者が期待する利益を下請業者自身で達成することは不可能である。本来、元請業者の管理技術者は、下請業者の利益を予定どおり上げることができるように配慮しなければならない。しかし通常の元下関係の実態は、工事内容が決まり下請業者に発注する金額を見積もり、契約によって発注金額を確定させる。この段階で問題になることは、一般に下請叩きと言われる行為が発生する。下請発注の金額を過度に低減要求する行為である。元請の言い分としては、市場の競争が激しく予定金額の20%減で落札したのであるから、下請業者も20%減額せよと言う要求である。これは市場経済における現象であるから仕方がない面もある。しかし問題なのは下請叩きという行為を問題にしているのではない。施工開始後の元請業者の技術者による工程管理の拙さである。何故なら元請業者の管理技術者が行う工程管理が、下請業者の利益の変動に深く連動しているからである。
2.原価発生の特性と元請業者の管理技術者の責任
元請業者の管理技術者の責任は、総合工事管理の責任者であるから、この管理の中には下請業者の利益管理も含まれる。下請の施工現場の作業環境が最大5人であるのに、7人の作業員を要求したとすれば2人の無駄な人件費が発生する。また、近年下請業者が現場に持ち込む機材はレンタルものが増えている。このレンタル料は時間に比例して発生するため、適切な工程管理が行われていなければ、膨大に無駄なレンタル料が発生するのである。現場は複雑に並行作業もあるし、前行程の影響もあって予定される適切な作業時間にならない場合が多い。多少のことは仕方がないにしても、元請業者の工程管理の拙さによって下請の施工時間が大きく変動する。これが下請の利益を食い潰していることを知るべきである。
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