277.上級管理者の混乱と現場代理人の動揺
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/10/17(水) 11:42:59  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
「会社の役員と技術者との温度差が大きく、新しい工事管理システムを導入し、目的を大幅にクリアしても、役員はリストラと賃金カットしか考えていない。」という意見が、今年5月に道内14ヵ所で実施した専門技術者養成講座のアンケートにあった。この意見には多くの問題が潜んでいる。(アンケート用紙の内容は、ホームページ・研究の広場<263>平成19年7月11日に掲載)

1.企業の上級管理者の混乱
 このアンケートの意見は、企業内における役員や上級管理者の考え方が不統一であり、上級管理者等同士で混乱し動揺している状況が伺える。これでは部下である現場代理人が動揺するのは当たり前であり、そこには現場代理人の悲しい姿が目に浮かんでくる。どんなに優れた工事管理システムを導入しても、現場担当者の士気が上がらないようでは成功するはずがない。現場代理人が新しい工事管理のノウハウを身に付けて成果を上げても、新しい技術を導入した成果であるという認識ができないようでは、その技術力を評価することができない。企業内が混乱し動揺していては、前向きの改革をすることができないではないか。結果的に後ろ向きの悪いタイプの賃金カットやリストラになってしまうのである。本来のリストラクチュアリングは、再構築と言う意味であり、現状の問題点を緻密に検討し、成果が上がるような仕組みに再編成することであり、本来のリストラとは、前向きによる経営改革を指しているのである。

2.リストラを成功させるために
 上記のアンケートに現れた意見は、多くの企業が抱える実態であろう。社会の仕組みが大きく変わり、過去の延長線上の方式では、企業経営が成り行かない状態になったのであるから、時代に合った経営思想や経営管理の手法に、新しく組立て直しをしなければならない時代になったのである。人間は一般的に自分の考えが正しいと思い込んでしまう特性があり、なかなか新しい経営管理に組立て直しすることが難しく、結果的に改革が進まないものである。しかし、今日の日本経済の現状は、グローバル化した世界経済の影響を受けて、過去の延長線上の経営感覚では通用しなくなったことは事実である。その意味で経営者及び上級管理者は、上記のような混乱がないように勉強し意思統一をしなければならない。

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