新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 07/11/7(水) 22:37:39
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<アンケートの意見に>
「効率化すると労働組合との調和が必要であるが、どのようにしたら良いか。」という意見が、今年5月に道内14ヵ所で実施した専門技術者養成講座のアンケートにあった。近年は少なくなった意見であるが、気になる意見であるので取り上げることにした。現場で効率を上げることは経営者と社員が対立するものではなく、利益を上げて企業が発展するため、近年では労使の共通した価値観になったはずである。(アンケート用紙の内容は、ホームページ・研究の広場<263>平成19年7月11日に掲載)
1.激しい市場環境と労使の対立
労働組合と対立するという意見は、昔はよく聞かれた言葉であるが、このところは耳にしなくなった。近年の厳しい市場経済化が進む中で、競争が激しくなるにつれ聞かれなくなった言葉である。労使が対立の関係では経営が成り立たない時代になったからである。このようなアンケートの意見が何故出たかの真意が分からないが、それは過去と比較にならないほどの市場経済の激しさである。そのため経営環境も過去とは比較にならないほどの状況に変わってしまった。企業は以前にも増して効率化を上げて利益を上げる努力をしなければ、生き残ることすら難しい。その意味で、このアンケートの意見には、別の意味があるのかもしれないが、この意見をあえて検討することにした。
2.現場施工の効率化と労使の思想
この度のアンケートを実施した時の専門技術者要請講座は、現場施工の効率化の問題であるが、労働組合と調和が必要という意見には少し誤解があるのかもしれない。工事管理について新しい工程管理の狙いについての研修であったが、新しい工程管理の手法が、社員に大きな負担を課すような誤解を招いたかもしれない。実際には仕事の簡素化に貢献する狙いがあり負担を軽減するものであった。その内容は別にして、技術職員の労働思想がひと昔の労使対立時代の思想の匂いがすることが気になるのである。今や労使の関係は、対立する余裕すらなくなった時代である。いずれにせよ労使に対立するような状況があるとすれば、経営者の思想に問題があるか、あるいは従業員の労働観に問題があるか、双方に問題があるのかもしれない。いずれにしても近年の市場経済型の新しい労使関係の問題が重要となるのである。
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