280.本社と現場の適切な機能分担
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/11/14(水) 19:19:07  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 現場技術者に対する研修会で、「新しい工事管理の思想と手法」に参加した技術者のアンケートに「本社の人にみっちりこの講座で研修を受けてもらえば可能である。」という意見があった。

1.の特色現場分散管理システム
 工事管理は、本社集中管理システムと現場分散管理システムがあるが、建設業界は昔から現場分散管理システムで行われてきた。それには幾つかの理由がある。第一の理由は、現場代理人制度があげられる。現場中心の管理方式には、利点も大きいが欠陥もあり、きちんと整理検討をすべきである。利点としては、現場代理人とうい仕組みは、経営者の代人としての権限を与えることであるから、現場代理人が全責任を負わせる制度である。そのため、責任体制が非常に厳格に機能する利点がある。現場の責任者がこれほどまでに責任体制が取れる仕組みは、他にないであろう。これほどまでに責任体制が機能するのであるから、この制度は決して悪いものではない。

2.現場代理人に加重な負担が掛かり過ぎる
 現場の全権限を現場代理人に与えることは、全責任も課せることになる。権限の範囲と責任の範囲は同じ範囲であるから当然である。しかし問題は、現場代理人の補佐役が十分に機能している場合は良いが、実際には必ずしもそうではない。この場合に本社が補佐役として機能が果たせる場合は良いが、長年にわたって現場分散管理システムによる現場代理人制度を採用してきた企業は、従来どおりの旧現場代理人方式であり、現場には十分な補佐役がいない状態である。これでは、いかに現場代理人が優秀であっても、1人の仕事量の限界を越えている場合も多く、現場代理人の嘆きが良く分かるのである。そのため、上記のアンケート「本社の人にみっちりこの講座で研修を受けてもらえば可能である。」という意見になるのである。現場代理人の悲鳴が聞こえるようである。この現場の声に耳を傾けて、本社と現場の機能が十分に有機的に機能する仕組みを作ることが重要で、現場に新しい工事管理が定着するものと考える。

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