新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 07/12/19(水) 23:51:00
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<アンケートの意見に>
現場技術者に対する研修会で、「新しい工事管理の思想と手法」に参加した技術者のアンケートに「理論と現実の差が大きい。机上と現場は違う。」という意見があった。この意見は、現場の技術者からよく聞かれる意見であり、否定する気持ちは毛頭ない。むしろ現場で悩む技術者にとって当然の意見であろう。しかし、現場技術者にも陥りやすい課題があり検討すべきではなかろうか。
1.頭脳による「感」という標準化
現場の現実という意見については、二度と同じものを作らない。現場は野外であり天候に左右される。そのため現場では何が起きるか分からない等、現場の特殊性を主張する声が多い。しかし、この訴えに対して「では新しい現場の施工はどうするのですか」と問いただすと、「そりゃ過去の施工経験ですよ」と答える。これでは過去の経験データを利用しているのである。この当り前のようで会話は奇妙な内容である。過去に経験したデータが脳に蓄積されていることを前提にしている。そのデータを素早く検索し分析し標準化した結果を、脳は瞬時に出してくる。あまりに素早く頭に浮かぶため、この現象を「感」と言っているが、人間の脳のすばらしい点はこの判断の速さである。この感と情緒的な思いつきとは違うのである。繰り返しになるが「感」とは、過去に経験したデータが脳に蓄積されており、データーベースが構築されているのである。そのデータを素早く検索し分析し新しい現象に適切に対応できるように加工して、結論を導き出す作業のことを「感」というのである。この結論は脳によって標準的なデータに加工されているものである。そのため新しいものに共通する部分の利用価値が高くなるのである。
2.経験者が重視される理由
経験者が重視されるのは、過去の経験値のデータが標準化され、脳に蓄積されていることである。この脳に蓄積されたデータが威力を持っているため、社会は経験者を重視するのである。この脳に蓄積されたデータを科学的にデーターベースを構築すれば、大きな力を発揮することは間違いない。そのデータを科学的に利用することを提案しているのであり、机上の空論とは意味が少し違うのである。それは実践して成功している企業によって裏づけされている。
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