新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 08/3/26(水) 22:36:57
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<アンケートの意見に>
技術者研修会のアンケートに「ネットワーク工程表を使うより、休日を記入したバーチャートを使用する方が実務的には良いと思う。」という意見があった。この意見は、近年のネットワーク工程表の使い方について誤解がある。
1.ネットワーク工程表の誤解
かなり以前のネットワーク工程表の教育は、ペーパーによる工程表の教育で始まったため、当時のネットワーク工程表の固定概念が影響しているかもしれない。そのため多くの誤解が解消されていないのではなかろうか。当時のペーパーによるネットワーク工程表では、複雑な工程であれば、少しの工程修正が発生しても、前後工程の書き直しや修正が複雑で、時間がかかり過ぎて実用的でないかもしれない。そのため、単純なバーチャートの方が修正も容易であり実用的かもしれない。しかし今日のネットワーク工程表は、電子データによる工程計画から始めるのであって、手書きを前提にしているものではないことを留意すべきである。
2.何故、ネットワーク工程表は柔軟性があるか
今日のネットワーク工程表は、電子データによる自動計算を前提としており、手書きによるネットワーク工程表は想定してはいない。したがってコンピュータを前提に考えなければいけない。今日のネットワーク工程表はコンピュータの知能をフルに利用したものであるから、複雑な現場の工程を計画や修正、シミュレーション等が容易になり、実用的になったのである。本来工程計画は、工法が変われば資源の活用にも変化が起きるものである。ある部分の施工を労務施工にするのか、機会施工にするのか、外部資源を活用するか等、数種の資源の選択をしなければならない場合に、その選択の決定後は、翌日からの施工に大きく影響する。しかも、並行作業が複雑に絡んでいる現場においては、工程計画の修正は人間の能力の限界を越えてしまう場合もある。そのため、IT化による電子頭脳を利用することが必要であって、理想の工程計画に近づくために数種のシミュレーションで模索することも必要になるのである。今日のネットワーク工程表は非常に柔軟性の高いものであることを認識しなければならない。
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