299.コスト縮減に時間管理の有効性が浸透しない理由
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/4/2(水) 09:16:09  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 技術者研修会のアンケートに「NHKの特集番組で、コストダウンについて時間管理が重要であるという番組を見て、社内の会議で提案したが、だれにも相手にしてくれなかった。」という意見があった。この意見は、建設業界では一般的な光景であり、時間管理の重要性を認識しているひとが非常に少ないのである。建設業界のコスト縮減の意識は、実行予算で誘導するものであって、時間管理で誘導する意識がないし、その技術も当然認識されてないのが現状である。

1.日本人にコストダウンを時間で誘導する意識がない理由
 日本の伝統的な技術伝承の仕組みは、江戸時代から日本独特の伝承文化があった。当時は幼い頃に丁稚奉公から始まり、兄弟子や親方の元で、技術指導を受けるのではなく、盗んで覚える仕組みであった。そのため技術を身につけるためには長い時間を要し、一人前になるには10年、20年と掛かったのである。その間は、低賃金であり、丁稚時代であれば無報酬同然であり、食事が報酬に相当する場合もあった。このような状態であるから、一人前になるまでに時間がかかっても、人件費の負担を考える必要がなかったのである。しかし今日では初任給の段階から高額の給与を払わなければならないため、人件費を強く意識した経営管理が必要になった。賃金は働く時間関係するため、時間管理が重要になった所以である。

2.時間管理が更に重要になる理由
 人件費の他に時間に比例して発生するレンタル物が増えたことである。以前の経営手法は、銀行から融資を受けて機材を購入し、資金は分割して銀行に返済する方法が一般的であった。この方法では多額の借金に頼らざるを得ない状態になり、昔のように人材資源にウエイトが掛かっていた時代はよいが、近年のように機械資源にウエイトが掛かる時代には、融資に頼り過ぎて借金地獄に巻き込まれてしまう。そこで借入金を軽くするために考案されたものが物融制度であり、物融はリース制度とレンタル制度で発展してきた。リースは機材を丸ごと物融する方法であり融資制度に近いが、レンタルは使用期間のみを時間借りする方法である。建設業界はレンタル制度に馴染み多用することが多くなった。そのため時間比例費が益々増え、時間管理が必要になってきたのである。

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