304.経営者の原価管理意識の改革
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/5/14(水) 23:02:41  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 技術者研修会のアンケートに「建設現場の改革と経営の効率化を計るためには、経営者の理解も必要で、現場の技術者だけでは、会社で新しいネットワーク工程表を活用するまでにはいたらない。経営者を含めたセミナーを期待しています。」という意見があった。この意見は、ネットワーク工程表による管理の重要性について、理解する現場技術者が増えてきたことを示している。その反面、経営者は依然として実行予算による原価管理を求めており、現場技術者の意識が変わることによって、経営者と対立している光景がうかがわれる。

1.ネットワーク工程表を理解した現場技術者
 原価の発生は、前回で記述したとおり、実行予算のような予算管理方式で原価の削減を誘導することはできない。それは人的資源の活用法や資源数による影響、機械資源の能力の高低、外部資源の能力や自社資源との組合せによる施工計画、数種の工法の選択等によって原価が大きく変動する。このような原因で変動する原価を、予算管理(実行予算)で誘導することはできないのは当然である。この原価発生のメカニズムを理解した現場技術者は、実行予算方式の限界を感じており、これに代わる管理方式として、新しい原価発生のメカニズムを組み込んだ、複合型ネットワーク工程表の重要性を理解できるところまで認識されてきたことを示している。

2.経営者の原価意識をどうするか
 長年にわたり現場技術者の研修の結果、ネットワーク工程表が原価縮減の道具として、有効に作用することを現場技術者の理解は進んできた。しかし長年にわたり実行予算方式で管理することが当り前になっている建設業界の経営者は、いまだに実行予算方式が最善の原価管理の方式であるとの認識で凝り固まっている。そのため原価管理意識が変わってきた現場技術者からの要求として、経営者の意識改革のためのセミナーが必要であると訴えているのである。建設業界厳しい状況の中で、経営者の意識改革の重要性が高まってきた。

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