新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 08/6/11(水) 18:11:38
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<アンケートの意見に>
専門技術者養成講座(函館)のアンケートに「建設業は、請負業であり、施主の意向により大きく左右されることが多く、全体的、大局的に考慮することが必要であるが、最適な工程表の立案は難しいと思います。」いう意見があった。この意見は、もっともな意見であり、現場の施工計画が思うように実施できず、施主に振り回されている光景が想像されます。施主の意見が施工中に強く作用することが、受注産業の特色であり、設計変更や追加要望が多く、施工業者が泣かされている。
1.受けて負ける悲しさ
最適工程とは、施工に変更がないことを前提にして、最適な状態を想定した施工計画である。しかし上記の意見のように施主から施工の修正が求められれば、修正せざるを得ないのが施工業者の立場である。しかも受注の段階で競争原理が作用し、施工金額が予定通りに契約できない場合も多く、施工業者はいつも弱い立場に置かれるものである。これを業界用語では受けて負けるから請負業であるという。しかし、本来の請負契約でいうならば、当初の施工内容を仕様書等で明示し、書面を持って契約することが建設業法に規定されている。この規定は、施主の保護の意味合いが強いのであるが、同時に施工業者の保護にも作用するのである。したがって、当初の書面による契約内容に変更が起きれば、施工業者は代金の請求ができるのであるが、現実の立場は施工業者が弱く、施主の方が優位に立つのである。しかし、施工の変更は、常に多額の原価の増加をもたらすものであり、施工業者は対応策を考えなければならない。
2.最適工程の概念
最適工程表とは、当初は、契約内容で理想的な施工計画表をいうのであるが、施主の意向や現場の施工環境によって、理想的な施工計画通りに実施できない。そこで当初に作成した最適工程計画を、施工計画変更の都度、最適工程に修正する必要がでてくる。つまり最適工程表とは、施工計画時点に作成されたものではなく、計画変更やその日の実行した施工終了時点で修正する工程表をいうのである。したがって翌日の施工開始時点では、常に最適化された工程表になっていなければならないのである。原則として毎日修正しながら最適化したシミュレーションの工程表を指すのである。
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