新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 08/11/19(水) 12:28:12
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<アンケートの意見に>
専門技術者養成講座のアンケートに「ネットワーク工程表による管理の仕方は,分かっているが工種が複雑に入り組んだ工事には難しく,また、外的要因(交通規制や災害,地域貢献等)も加わるのでネットワーク工程表は難しい。」という意見があった。この意見は日々変化する現場の環境にネットワーク工程表が馴染まないという指摘である。このような意見は過去にも多く,誤解があるので解説する。
1.ネットワーク工程表の基本的機能
ネットワーク工程表の威力は,工程や工種が単純な現場では,むしろネットワーク工程表を利用する意味はない。単純な工事であればその場の状況判断で施工する方が効率よく施工できる場合がある。しかし複雑な工事で人間の能力の限界を越えてしまえば,複雑な工事ほど工事管理の道具が必要になるのである。したがって,複雑な工事であるからこそネットワーク工程表を有効に使う必要があるのである。この点でネットワーク工程表の本来の機能を誤解しているのではないだろうか。ネットワーク工程表の威力を再認識していただきたい。
2.突発的現象が起こりやすい現場
ネットワーク工程表についてのもう一つの誤解がある。外的要因である交通規制や災害,地域貢献,設計変更等による各種の要因で,工程計画どおりに実施できない点についての指摘があるが,この点についてもネットワーク工程表だからこそ道具が威力を発揮する。ネットワーク工程表に関して誤解している点は,工程計画として作成したネットワーク工程表を,壁に貼って関係者が眺めている光景が浮かぶが,実際の工程管理をする場合のネットワーク工程表は,壁に張り出して使うものではなく,パソコン上で行うシミュレーションの道具である。外的な事情である交通規制や災害,地域貢献等で施工計画どおりに施工できないことが毎日起こるのが実際の施工現場である。したがって,施工計画は毎日変化していることを前提にして計画しなければならない。そこで,当日の実際施工実績を当日の計画のズレをパソコンで修正してやれば,明日からの施工計画が自動的に修正され,明日からの現実的施工計画になるのである。
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