331.今こそチャンスを逃してはいけない
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/11/26(水) 20:31:14  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 専門技術者養成講座のアンケートに「役所(公共工事の発注者)の積算単価を上げないことを前提にして,建設業者にコストダウンを進めているのか?」」という意見があった。このような意見は,以前からよくある意見であるが,積算単価が低過ぎるからもっと上げてほしいという意見と同じである。しかしこの意見には,自社の単価を下げる努力をしなくても,積算単価を上げてくれれば解決するではないかということになり,気持ちは分かるが市場で通用する意見ではない。

1.発注者における積算単価の意味
 本来予定価額を設定する意味は,入札時の契約金額の目安にするものであって,必ずしも入札の落札金額の目標とするものではない。予定金額は全国の実際平均原価を基準にして算定するため,実勢金額であることは確かであるが,実際の施工原価は,企業努力によって決まるものであるから,市場の競争原理にしたがってコスト縮減の努力をした企業が、有利に作用するのは当然である。上記の発言者自信も理解はしているのであろうが,近年のあまりにも激しい競争の環境の中で,落札価格が低く抑えられ,悲鳴を上げているように聞こえてくる。しかしこの環境は自社だけに厳しいのではなく,同業他社全ての企業に公平に厳しいのである。

2.厳しさが公平であるからこそチャンスがある
 公共投資が減少し過当競争になり,落札金額も下り利益が上がらない。民間工事も景気が悪くて減少している。自分は一生懸命に努力はしているが,景気が悪いことや公共工事が減ったことは私のせいではない。とイライラしている人が増えている。このような状態に置かれれば人間は弱いもので,精神的に地獄への道に迷い込んでしまう。しかし,企業経営にとって社会環境のマイナス要因は,どの企業に対しても公平に作用するのであり,不公平には作用していない。したがって,他社が社会のせいにして,何も行動しないのであれば,今が行動のチャンスとなるのである。少しの努力による行動が企業格差になって現れる時代である。今こそ科学的なコスト縮減のシステムを構築することが,企業の基礎体力をつけ強い企業になるチャンスとして活かすべきである。

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