新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 09/2/18(水) 17:48:13
返信も含め全削除
1.帳場という現場の経営責任者が消えた
今日の現場代理人の制度が確立するまでは、帳場という現場の経営責任者制度があった。帳場とは帳簿をつける場所という表現になるが、帳場という職種は、経営全般を扱う専門職として用いられていたのである。したがって当時の現場の体制は、帳場が経営責任者として最高位にあり、その配下に現場技術者が配置されていた。今日でも大規模工事については、現場の最高経営責任者としての現場代理人が配置され、その現場代理人は必ずしも技術者ではなく、経営の専門家が務めるのである。この帳場制度が消えて数十年経過するが、当時の建設省が1級施工管理技士であれば、現場代理人を務めることが出来るとしたため、現場から経営の専門家が消え、経営者の代行として技術者が現場代理人を務めるようになってしまったのである。
2.技術者による現場代理人の登場
今日の現場代理人は、技術者が務めることが当たり前のようになってしまった。これは建設業界にとって必ずしも喜ばしいことではない。なぜなら、現場という一つの企業体の経営問題が、経営の素人に任される結果になったからである。過去にも技術者が現場の経営責任者になることはあったが、経営の素質がある人が任命されていたから、その意味では現場の最高位には常に経営の専門家を配置することは常識であった。この常識が崩れた要因は前述したが、当初から1級施工管理技士でなければならないとし分けではなく、1級施工管理技士が現場代理人を担当してもいいよとしただけである。いずれにしても現場から経営者が消え、技術者によって現場の経営をすることが一般化してしまったことは不幸である。
3.四苦八苦する現場経営
工事量が減少し本格的に現場経営をしなければ成らない時代に、現場経営の貧困さが近年表面化してきた。その意味でこれからの現場経営を本格化する必要がある。技術者は技術的面を担当し、経営面は現場経営のプロに任せるべきである。経営の素質を持つ技術者は現場経営を兼務することは当り前のことであるが、いずれにせよ現場経営にはプロの知識が必要であることを強く認識しなければならない時代になったのである。
|