新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 09/8/5(水) 23:55:14
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1.安易な予算管理と不安感
注文生産の業界は、市場において請負契約の金額が、生産に先行して決まるため、生産後の実際原価が予定された計画通りに収まるかの不安に襲われる。そのため予算を厳しく査定し予算内で実際原価の発生を食い止めようとする意識が強く作用するのである。したがって実行予算の策定時には、将来の不安感の中で決めていくのである。そのため科学的な予算編成よりは、期待感を込めた情緒的な予算額になる場合が多くなってしまうものである。過去に施工した類似の工事であっても、時代背景や工法変革、施工環境等の相違があり、予算策定には不安材料が非常に多い。大手ゼネコンであれば、専門工事業者別に予算計画を立て、予算内での契約を進める方法をとるため、実行予算制度は予算配分管理の様相となる。大手の場合は予算配分管理手法でも、それなりの意義があると考えられるが、堅実な中堅企業であれば、大手のような予算配分管理はすべきではない。もっと科学的な本格的な施工管理体制を築き上げるべきである。
2.本格的コスト縮減の知的財産化
本格的コスト縮減の管理は、安易な予算配分思想の管理ではなく、コスト縮減の行動管理でなければならない。つまり本格的なコスト縮減は、予算管理手法ではなく、コストが減少のための施工行動管理が必要である。予算手法ではコスト縮減の誘導ができるものではない。コスト縮減の行動管理とはどのようなものかを考えてみよう。工事現場の施工は、最も重要な施工資源の検討がある。施工資源とは、作業員の人的資源や建設機械、車両運搬具等の機械資源があり、特殊な専門工事業の協力会社の外注資源等、施工上各種の重要な資源を適切に組み合わせることが必要である。更にその資源数や能力、機能等も重要な条件であり、この組合せの最適な状態が重要で、最も効率の良い施工体制ができ上がるのである。この適切な施工体制をネットワーク工程表に記録し、各種の重要な情報を総合的に整理し、コスト縮減の機能を知的財産化することが今後の建設業の重要な方向となるのである。
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