新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 09/9/2(水) 23:14:49
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1.実行予算は勘違いを誘発する
詳細な工程資料によって工種や作業内容、施工の流れの全体像がつかめなければ、適切な施工計画を立てることはできないし、適切な工程表も作ることはできない。適切な工程表ができなければ適切な実行予算も作ることができない。この点で適切な工程表による表現が重要となる。例えば実行予算を作成しようとすれば、頭の中では工程表を描いていなければ適切な実行予算を積算することは困難である。適切な工程表ができれば、予算額も適切に積算することが可能となる。つまり実行予算の根底には必ず施工行動を想定した工程表が存在するのである。その意味では実行予算は根底で工程表と連動しているのである。しかし、予算が一旦確定すると実行予算は1人歩きを始め、当初に想定した適切な行動計画のウエイトが薄れ、実行予算で施工行動を誘導しようとするパワーが発生する。つまり実行予算によるコスト縮減の誘導が可能であるかのような錯覚を誘発するのである。原価の発生は、予算額で決まるのではなく、施工行動の結果として発生するものであるから、原価の発生要因である施工行動をコントロールする以外にコストは誘導できないことを留意すべきである。
2.コスト縮減のチャンスはどこか
繰り返しになるが、実行予算の手法はで原価縮減の誘導はできない。それなのに技術者は実行予算で原価縮減の誘導ができると思い込んでいるひとが多いが、これは勘違いであることを改めて注意すべきである。コスト縮減は施工法や施工資源の使い方分け等の施工行動によるものであるから、無駄なコストが発生しない行動計画を立てることが重要である。実行予算でも当初の予算策定の時点では、コスト縮減の行動を想定して予算を策定するまでの考え方はよいのだが、実行予算が策定した後に問題が発現する。つまり確定した実行予算でコントロールしようとする考え方に問題がある。予算は施工行動の結果としての支出になって現れるものであるから、予算支出の段階ではコスト縮減の誘導時期は失っている。コスト縮減の行動のポイントは、施工行動の前段階までの施工計画時にチャンスが存在するのである。施工行動の前に速やかに工法や、施工資源の選択によってコスト縮減が誘導されるチャンスがあるのである。
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