359.コスト縮減の邪魔をする上級管理者
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 09/9/9(水) 16:51:28  返信も含め全削除

1.上級管理者がなぜコスト縮減の邪魔をするか
 建設業界の上級管理者の中には、現場の工事管理の革新を阻害するひとが見受けられる。何故このような現象が起きるかといえば、建設業者の上級管理者は場代理人の経験者が多く、現役当時に経験した工事管理の考え方や手法が身についており、その経験が工事管理の近代化や改革の邪魔になっている。現場代理人の現役時代の経験が災いしているのである。特に原価管理については、長い間実行予算によって行われていたため、現在でも現場の原価管理は実行予算による手法が当り前という考え方に凝り固まっている。今日のように受注環境が厳しい時代では、従来型の実行予算程度でコスト縮減を誘導することは無理であって、新しい工事管理の思想によって現場改革をしなければならないのである。この厳しい経営環境の対応策の研修として、生き残りをかけた現場改革の講義後の意見に、古い考え方の上級管理者がいるため現場改革が進まないという意見が多く出される。現場代理人の仕事環境は一匹狼型の孤立する環境のため、上級管理者になっても当時の思想が根強く残っており抜けないためであろう。研修の成果がこのような企業内環境のため改革が進まないことはまことに残念なことである。

2.全社を挙げて現場改革をする時代
 全社的に現場改革を進めなければならないことは当たり前であるから、上級管理者ばかりではなく経営者にも意識改革が求められる。特に原価管理は実行予算制度から抜け出すことがポイントである。実行予算がコスト縮減に機能していると勘違いしていることに気がつかなければならない。実行予算で原価縮減を誘導する手法は、下請業者や建材業者のいじめ思想が混在するため、科学的な真のコスト縮減の手法ではない。これでは近代工事管理とはいえないのである。近代工事管理は、コスト縮減の行動管理でなければならない。それには予算という金額による誘導管理ではなく、どのような行動がコスト縮減行動になるかの研究が必要である。コスト縮減行動とは難しいことではなく、単純で具体的なコスト縮減の科学的な行動をいうのである。問題は、日々の具体的なコスト縮減行動の計画が重要であり、その行動の研究が建設業界では不足しているのである。コスト縮減の行動計画は、ネットワーク工程表の手法を高度利用することである。

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