新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 09/9/23(水) 11:35:53
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1.現場代理人の不安の根源は
実行予算制度に対して、多くの現場代理人から多種多様な意見を聞かされた。中には相反する意見まであって、現場代理人の悩みの深さが伺われる。まことに気の毒な話である。現場代理人は何故このような状態に置かれたまま、今日まで放置されたままになっていたのであろうか。その第1の理由は、現場代理人の職種は技術職であるから、教育機関は理科系の教育機関が担当する。そのため本格的な経営学や経営管理、原価計算、原価管理の教育を受けたことがなく、原価に関する知識が欠落しているのは当然である。原価計算や原価管理は経営学の分野に属し、教育機関は文系に属する学問である。そのため現場代理人は教育を受けないまま、実行予算による原価管理を強いられているのである。その結果知識がないため実行予算に不満を持ちながら、実行予算に頼らなければならない状況下に置かれていることは気の毒である。
2.実行予算に対する不満と不安感
実行予算による原価管理は、不安と不満でいっぱいである。予期せぬ不慮の事故や天候異変、現場の特異性、施工途中の不具合による設計変更等、計画自体に不確実性の因子が混在しており、ハプニングが日常的に発生することが工事に関する注文生産の特色である。それにもかかわらず実行予算制度は、予算が確定すれば予算書は、厳しい原価の命令書として原価目標が強要されるため、精神的に重圧感となって攻められる。しかし他に原価管理をするための道具が見あたらいから、仕方なく実行予算を使わざるを得ないと思い込んでしまう。
3.本格的に原価計算の知識が必要
近年、現場代理人の教育で感じたことは、現場代理人が如何に原価管理を勘違いしているかが理解できた。本格的な原価計算や原価管理の教育を受けたことがないのであるから仕方がないが、原価管理は経営学や経営管理の知識を前提にして、原価管理の勉強が必要なのである。実行予算は単なる目標原価であって、実行予算を道具として原価管理ができると思うのは勘違いである。実際に発生する原価を、目標原価である実行予算に近づくように誘導する道具は、実行予算自体に原価誘導の機能はない。原価管理は実行予算とは別な道具が必要であることを認識しなければならない。
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