368.段取計画と施工計画の整理
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 09/11/11(水) 17:42:03  返信も含め全削除

1.段取という概念について
 段取という用語に関する業界の認識は、必ずしも一様な概念ではなく不安定である。一般的に段取という用語は、「施工開始前の準備」ということになるが、事前に作成される施工計画やネットワーク工程表も、施工前の準備として作成するものであるから、これらも広義の段取という概念に入るのである。そこで前者の「施工開始前の準備」を狭義の段取の概念とし、施工開始後に利用するネットワーク工程表等、事前に作成される施工計画書を含めた段取の概念を、広義の段取ということで進めたい。

2.段取計画の適否
 段取の適否が確認できるのは、施工が開始され後に、段取が不備のため施工を中断せざるを得ない状況時に確認されることになる。つまり狭義の段取が不適切で施工中断が発生すれば、当初の施工計画まで変更しなければならない。このように施工が中断された時点で、段取りの不備が確認される。工事の中断は工期の延長につながり、発注者に対する納期まで影響を与えるのである。当然、工期の延長は、作業員の賃金や機械のレンタル料等、工期に連動して発生する原価にも影響を与える結果、無駄な原価の発生となって現れるのである。これらの点からみても段取がいかに重要であるかが分かるのである。当初作成された工程計画具表は、一つの段取のミスでも、工程計画書全体に影響を与えるため、結果的に工程計画書の変更をせざるを得ないのである。このように狭義の段取は、広義の段取である工程計画と深く連動しているため、狭義の段取は、少しのミスもないようなシステムにしなければならない。

3.具体的施工計画の重要性
 狭義の段取を適切に進めるためには、適切な施工計画を前提に作られるものであるから、施工計画が最も重要になるのである。しかし現実には、必ずしも重要視されているとは思えない。現場技術者や現場代理人等の意見の中に、施工計画は目安でありそれほど重要ではないと言う。しかし人間はミスを犯すものであり、ミスを事前に回避するために施工計画を立てることは重要で、緻密で実践的な施工計画ができれば、段取計画も適切作成され適格な施工準備もできるのである。

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