新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 09/11/18(水) 00:36:09
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1.段取計画は水面下の陰の主役
段取計画の良し悪しの認定はまことに厄介である。施工が開始されるまでは段取りの良し悪しの判定はできない。段取りの良し悪しは施工の段階で発覚するからである。つまり段取りの不適切さによって施工が中断した時点で、始めて段取りの悪さが露呈するのである。したがって段取りが適切に行われていれば、施工が順調に進むため、段取りの良し悪しは論議されることはなく、通常は水面下に置かれ表面化することはない。段取りが不適切な場合のみ、施工に支障をきたすことで表面化し、悪さの主役として現れるのである。段取計画は、重要でありながら常に陰の存在であり、失敗した時だけ表に引き出される哀れな行動計画である。しかし表の主役である施工計画が成功するかどうかは、陰の主役である段取計画が水面下で支えていることを忘れてはいけない。昔から言われている段取り8分という言葉は、表面上の施工計画が成功するために、裏方の段取計画が8分目も貢献しているという意味である。大事にしなければならない。
2.グランドデザインと段取計画
陰の主役である段取計画は、表の主役である施工計画に従属していると言う意味ではない。広義の施工計画には段取計画も含まれるのであるが、ここで重要なことは、陰であっても段取計画は、主役であることを忘れてはならない。陰の主役である段取計画の重要性を再認識するために、表の主役である施工計画は、広義の定義の概念は使うべきではない。これからの施工計画の概念は、狭義の概念として使うべきである。両者は厳密に分けて、徹底的に双方の計画内容を研究すべきである。そのため両者を含めた全体構想的な計画概念が必要となるが、これを施工計画のグランドデザインとしたい。現場の施工は、主役の施工計画を中心に進められるが、人生の設計をデザインするという使い方のように、施工の設計もデザインするという考え方を導入すべきである。なぜなら施工設計のデザインが変われば、工法や施工資源も変わるし、資源数も変化する。そのため、工期も変わるため原価は大きく揺れる。これから建設業界が大きく進化するためには、施工計画自体のデザインの高度な研究が望まれるからである。
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