新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 09/12/30(水) 16:58:45
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1.過度な独立採算制は欠陥だらけ
建設業界の現場経営は、現場の独立採算制が過度に強調され過ぎており、この異常とも思えるほど過剰な独立採算制が継続的に実施されている。そのため多くの不具合も発生している。人材に技量の差があるものであるが、技量の差によって現場経営の良し悪しが現れるのであるから、一匹狼型の現場代理人に過度な独立採算制を強調すれば、個人の能力の格差が現れるのは当然である。然るに建設業界は、現場代理人による過度な独立採算制を止めようとしない。建設業界に見られる独立採算制は、親会社が子会社の社長をコントロールする姿に類似しているが、本社と現場代理人の関係は、見方によってはさらに独立性が強く、現場の運営には口を出せないほど過大に権限を委譲している。大げさに言うならば、完全独立型の企業のようなものである。そのため、独裁者的な経営者並みのワンマン現場代理人が存在する。これでは度が過ぎた独立採算制であり、現場運営に多くの欠陥が出るのが当たり前であるが、改革や改善がされず放置されたままになっている。
2.現場経営の近代化に手が付かない
優秀な人材であっても個人の能力には限界があるであるから、個人の能力の限界を超えて成果を上げるには、会社やグループとしての支援システムが必要である。しかし建設業界の現場運営制度は、独立採算制が強すぎるため、支援システムが機能しない状況下にある。支援システムが機能しない理由には二つ考えられる。第一の理由は、常に新しい現場の運営であるから、過去の運営の手法はそのまま新しい現場には使えないという。つまり一つとして同じ現場はないとの主張である。したがって、その現場の最高責任者である現場代理人が、その裁量の権限で運営する以外の方法はないとの主張である。第二の理由は、江戸時代から続いている暖簾分けの思想の影響である。現場代理人の前身は、独立する前の一本立ちの最終的な独立採算のトレーニングである。この二つの独立採算制の思想が過度に作用するため、本社等の現場支援の構想も浸透しないし、現場代理人には外部の支援を受けるという意識が皆無である。そのため現場の運営手法が未だに古典運営のままで放置された状態にあるのである。
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