新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 10/1/13(水) 12:05:44
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1.実行予算の思惑を悪用する
目標とする原価を現実的な手法で積算したものが実行予算であり、実行予算はあまり理想的に積算すべきものではない。できるだけ実現可能な予算を設定すべきである。しかし如何に現実的に積算したものであっても、実行予算は事前原価であるから、実際の施工によって発生する原価と一致させることは非常に難しい。この点については誰しも承知の上で実行予算を利用しているのであるが、実行予算と実際原価一致しない理由は、現場で突如起きるハプニングによるものが多い。ここに建設業界における実行予算制度の問題点がある。確かに思わぬ事故や天候異変、住民とのトラブル等の突発的な事件は、回避不能な場合が多く仕方がないのであるが、このハプニングを悪用している人も多く、現場では何が起こるか分からないと主張し、計画通り利益が上がらないのは自分のせいではないと主張する。この主張は決して間違っているわけではないのだが、この主張を繰返していても何も解決にもならないのである。
2.正規作業の原価とハプニング原価
建設業界では、実行予算に対して最終的に発生した実際原価と対比することが一般的であるが。この比較検討には注意すべきことがある。最終的な実際原価を詳細に分解すれば、正規作業で発生する原価とハプニングで発生する原価があり、内容は大きく相違するのであるから、内容別に正確に集計すべきである。この区別計算ができないようでは、原価計算の本来の意義を失うことになるのである。ハプニングの内容によっては、予防に関する注意によって回避可能なものと、回避不能なものに分けることができる。この区別の際に重要なことはすべて時間データにすべきである。正規作業の施工時間とハプニングで中断する時間を、全て時間データとして把握することである。それはハプニングで破損した場合は、材料費のようなものであれば比較的計算が容易であるが、材料費以外の原価は、時間で発生するものが多いため、時間単位の原価計算手法が必要になるのである。過去の原価計算は、費目別原価計算か工種別原価計算であるが、これからは時間単位の原価計算に切り替えるべきである。
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